おうちでコーヒー焙煎!サンプルロースターでコーヒーの焙煎をしてみよう

コーヒー

自宅で焙煎をする道具は幾つかありますが、本格的な焙煎をしたいならサンプルロースターがオススメです。

この記事を読むとサンプルロースターが最適な理由や焙煎手順がわかります。

サンプルロースターとは

サンプルロースターとは主にコーヒー生豆のサンプルロースト1に使用する焙煎機のことです。

サンプルローストでは数100g単位で焙煎をするので、一回に焙煎可能な生豆の量が1kg未満の焙煎機をサンプルロースターとして用いることが多いです。

ただし、自家焙煎界隈でサンプルロースターと言う場合はユニオンのサンプルロースターを指すことが多いです。

この記事でもユニオンのサンプルロースターについて紹介します。

ユニオンサンプルロースター

サンプルロースター

浅草かっぱ橋道具街にある株式会社ユニオンが販売している手回し式のサンプルロースターです。

本体側面が穴のない鉄板で覆われたパンチングなしタイプと細かい穴が空いたパンチングメタルで覆われたパンチングありタイプの2タイプがあります。

ロースター本体の他に金属製のふるい、ホッパーとテストスプーンも付属します。

サンプルロースター付属品
左から金属製のふるい、ホッパー、テストスプーン

パンチングなしタイプとパンチングありタイプの長所と短所をまとめてみました。

タイプ長所短所
パンチングなし・チャフ2が周囲に飛散しないので後片付けが楽
・二重構造で外気に触れないので安定した焙煎が可能
・排気が不十分なので豆に燻り臭がつきやすい
パンチングあり・排気の問題がない
・直火式独特の風味が出る
・豆を焦がしやすい
・チャフが周囲に飛散するので後片付けが大変

サンプルロースター自体の短所としては次の2つが挙げられます

  1. 煙がけっこう出るので換気が必要
  2. 排気ダンパーがないので排気量による焙煎のコントロールができない

1点目ですが台所の換気扇だけでは処理しきれない量の煙が発生します。
排気ダクトの設置は不要ですが、焙煎中は換気扇の他に窓を開けるなど換気をよくした方がいいです。

2点目について補足すると、通常のガス式焙煎機では排気ダンパーの開閉量でコーヒー豆が触れる熱風の量を調節して焙煎をコントロールしています。
サンプルロースターは熱源の火力の調節しかできないので、焙煎のコントロールが難しくなりがちです。

サンプルロースターをおすすめする理由

コーヒー焙煎を本気でやってみたい方にサンプルロースターをおすすめする理由は次の通りです。

手網焙煎からのステップアップに最適

コーヒーの焙煎を始める場合、まずは手網3を使った焙煎から始める人が多いと思います。

手網焙煎は手軽に始めることができる一方、次のような短所があります。

  • 一度に焙煎できる量が少ない(100~200gが限界)
  • 豆が外気に触れるため気温の影響を受けやすい
  • 熱源の火力、手網と熱源との距離や手網を振る速度など変動する要素が多く再現性が低い

サンプルロースターでは、上記の短所を次のようにカバーできます。

  • 最大で450gまで焙煎可能
  • 豆が外気と直接触れないので安定して焙煎が可能(パンチングなしタイプ)
  • 火力と回転速度のみが変動要素であり再現しやすい

堅牢&手入れが簡単

サンプルロースターはとてもシンプルな構造をしています。

それゆえに壊れにくく丈夫です。

また、T型レンチがあれば分解・組み立てが出来るので手入れも簡単にできます。

入手しやすい

近年の物価上昇に伴って販売価格も上がっていますが、10万円未満で本格的なロースターを入手可能です。

供給も安定していて、Web通販でも様々なECサイトで取り扱っています。

現物を確認したい場合は大きめのコーヒー器具専門店に行けば実際に手に取ることもできます。

使用者が多いのでノウハウが蓄積されている

昔からある定番商品なのでノウハウが蓄積されていることも利点です。

例えば、温度計を組み合わせて焙煎中のロースター内の温度をモニタリングする事例が紹介されていたりします。

コーヒー焙煎の温度管理と2つのセットアップを紹介
コーヒー焙煎の温度管理方法を2つ紹介。今回は、手動式焙煎の際の温度管理について、使っている道具などお見せしながら紹介していきます。

他にもパンチングなしタイプの排気が不十分という欠点をドリルで部分的に穴を空けることで解決する事例もあります。

現役焙煎士の初代コーヒー焙煎機(ユニオン・サンプルロースター)を紹介します。 - コーヒーおたく.com
わたしはコーヒー焙煎歴5年になるコーヒー大好き人間です。今回は、わたしが使用してきた初代焙煎機であるユニオンサンプルロースターを紹介します。

サンプルロースターの他に焙煎に必要な道具

コンロ

カセットコンロ

当たり前ですが、焙煎には熱源が必要です。

キッチンコンロでも焙煎は可能ですが、次の理由で焙煎では使われないことが多いです。

  • キッチンコンロは長時間使用すると火力が弱まる、または停止する火事防止機構があり焙煎しにくい
  • チャフが飛散した場合に片づけがしにくい
  • IHコンロや電気コンロの場合はサンプルロースターが使えない

そのため、カセットコンロを熱源として推奨する傾向があります。

特に自家焙煎界隈では『カセットフーボー EX』という高火力型のカセットコンロと組み合わせて使用することが多いです。

冷却機

冷却機

後ほど焙煎手順でも触れますが、目標の焙煎度に達したら速やかに冷却する必要があります。

サンプルロースターで焙煎する場合は200g以上の豆を一度に冷却するので、冷却機を用意することをオススメします。

コーヒー豆の冷却機は金属製のふるいの下部にPC用の冷却ファンが設置された装置です。

『コーヒー豆 冷却機』や『コーヒー豆 クーラー』などのキーワードでWeb検索をすると複数のメーカーの製品が見つかると思います。

冷却機を使用しない場合は付属のふるいに空けたコーヒー豆をヘアドライヤーの冷風運転で冷却することで代用することも可能です。

サンプルロースターを使った焙煎手順

サンプルロースター焙煎準備

サンプルロースターを使った焙煎方法を簡単に紹介します。

サンプルロースターの使い方に重点を置いた紹介なので、生豆のハンドピック等の事前作業は割愛しています。

1.余熱

サンプルロースターが空の状態でコンロで加熱します。

余熱することでサンプルロースター内部の温度が安定するため、生豆全体をまんべんなく焙煎することができます。

2.生豆投入

生豆投入

ホッパーを使ってサンプルロースターに生豆を投入します。

サンプルロースターは200~500g程度の生豆の焙煎が可能です。

生豆の量によって焙煎の進行の仕方が異なるので、一度に焙煎する量は毎回同じにした方がコツを覚えやすいです。

3.焙煎開始

余熱

生豆を投入し終えたら、コンロに火をつけハンドルを回してドラムを回転させます。

目標の焙煎度に達するまで火力を調整しながら、ハンドルを回し続けます。

テストスプーンでコーヒー豆の色や形を確認しながら、匂いも考慮して焙煎度を見極めます。

ドラムの回転が速すぎるとコーヒー豆が遠心力で飛び出してしまうので注意しましょう。

4.冷却

冷却

コーヒー豆が目標の焙煎度に達したら素早く冷却器に移します。

サンプルロースターから移した後も豆自体の熱で焙煎反応は進むので速やかに冷却する必要があります。

豆が冷めたことが確認出来たら保存容器に入れます。

まとめ

サンプルロースターがあれば本格的な焙煎を始めることができます。

もちろん狙い通りに焙煎するには長い時間が必要です。

しかし、そういった時間を通して焙煎やコーヒー豆に対する理解を深めることができます。

手網で焙煎をしている方は、サンプルロースターでより本格的な焙煎にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

  1. 業務用焙煎機で大量に焙煎する前に、生豆の特性や癖を把握するために少量で焙煎をすること ↩︎
  2. 焙煎時に生豆から剥がれた薄皮 ↩︎
  3. 銀杏煎りに用いられる把手付きの金網 ↩︎

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