家庭で焙煎したカカオ豆からチョコレートバーを作ってみよう

カカオ

カカオ生豆を焙煎したら、さっそくチョコレートバー(板チョコ)を作ってみましょう。

この記事の方法で製菓用品店で売っているカカオニブから作ることもできます。

料理用の器具をいくつか用意すれば、専門的な道具がなくても家庭でチョコレートバーを作ることが可能です。

焙煎したカカオ豆の入手

カカオ豆はチョコレートに加工する前に焙煎する必要あります。

詳細は次の記事を参照してください。

カカオ豆を自分で焙煎する

カカオの生豆を購入して自分で焙煎することが可能です。

自分で焙煎する場合、焙煎度合いによって細かな味づくりをコントロールすることができます。

詳細は次の記事を参照してください。

カカオニブの状態で入手

焙煎したカカオ豆の皮を剥いて粗く砕いたものをカカオニブと呼びます。

この記事の方法でカカオニブからチョコレートバーを作ることも可能です。

その場合、後述の『カカオ豆の摩砕』から作り方を参照してください。

カカオニブは富澤商店などの製菓用品店やビーントゥバーチョコレートのお店で入手することが可能です。

チョコレートバー作りに必要なもの

ミル/グラインダー

よめっこさん

カカオ豆の粉砕、砂糖との攪拌やチョコレートの練り上げに使用します。

石臼の付いたグラインダーやチョコレート用のメランジャー・リファイナーが最適です。

しかし、家庭で上記の器具を用意するのは難しいです。

そこで、山本電気株式会社のよめっこさんという電動ミルがオススメです。

【理由】

  • Amazonや楽天市場で購入可能
  • 1万円前後というお手頃な値段
  • プロペラ式のミルなのでメンテナンスが容易

耐熱ボウル

耐熱ボウル

チョコレートのテンパリングで使用します。

攪拌のみならば電動ミルでも可能ですが、電動ミルで攪拌すると摩擦でチョコレートの温度が上がってしまいます。

テンパリング工程ではチョコレートの温度を下げていくので、手でチョコレートを攪拌するためにボウルが必要になります。

電子レンジで使用できるボウルだと、テンパリングが失敗した際に電子レンジで加熱してやり直すことが可能です。

料理用デジタル温度計

料理用デジタル温度計

テンパリングの際にチョコレートの温度を測るために使用します。

デジタル温度計には接触タイプ(プローブを対象に突き刺して測定)と非接触タイプ(赤外線による測定)の2タイプががあります。

両者ともに一長一短ですが、私は手入れが楽なので非接触タイプの温度計を使用しています。

チョコレート型

チョコレート型

チョコレートバーの成型に使用するプラスチックやシリコン、ポリカーボネート製のモールドです。

小さい型ならば100円均一ショップでも購入できます。

一般的な板チョコの型が欲しい場合は、富澤商店などの製菓用品店が良いでしょう。

砂糖

砂糖

カカオ100%のチョコレートは苦味が強いので、必要に応じて砂糖を加えて味を調整します。

逆に言えばカカオ以外の割合は砂糖の量になります。

例:カカオ70%のチョコレートの場合、砂糖の割合は30%

砂糖の必要量の求め方

カカオニブの質量をX [g]、作りたいチョコレートのカカオの割合をY [%]とする場合、砂糖の必要量は次の式で求めることができます。

X ÷ Y – X

例:100gのカカオニブで70%のチョコレートを作る場合

100 ÷ 0.70 -100 = 42.857…… ≒ 42.9

42.9gの砂糖が必要になります。

ココアバター(カカオバター)

マイクリオ

必須ではないですが、チョコレートを滑らかにするために加えます。

粉末や液状、固形などのタイプがあります。

固形のココアバターは事前に使用する分だけ溶かして液状にしておきます。

マイクリオ(Mycryo)のような結晶化済みの粉末タイプは、テンパリングを簡単にする効果もあります。

チョコレートバーの作り方

カカオ豆の皮を剥く

焙煎したカカオ豆から表面の皮を剥いてはがします。

カカオ豆の皮剥き
左:皮を剥く前、右:皮を剥いた後

十分に焙煎された豆の場合、皮は水分が抜けて乾いているため豆をひねるだけで簡単に剥くことができます。

また、焙煎しているうちに皮が勝手に剥がれる豆もあります。

皮が剥がれにくい場合、皮ごと豆を砕くと皮を除去しやすくなります。

剝がした皮はハスクと呼びます。

このハスクを使ってお茶を淹れることも可能ですが、雑菌等が付着していて安全性に疑問が残るので家庭ではあまりオススメしません。

幼根の除去

カカオ豆の幼根

カカオ豆には幼根という短い軸のようなものが入っています。

皮を剥いたカカオ豆をよく見ると、幼根の先端が顔を出していることが確認できます。

この幼根はカカオ豆が発芽する際にカカオの木の主根となります。

幼根は食べても安全上の問題はないですが、他の部分よりも固いです。

そのため、摩砕が十分でないとチョコレートを食べた際に異物感を生じてしまいます。

特に家庭で電動ミルを使って摩砕を行う場合、幼根を完全に砕くことは難しいです。

ゆえに少量のカカオ豆からチョコレートを作る際は幼根を手で除去することをオススメします。

カカオ豆の摩砕

ミルに入れたカカオ

皮を剥いたカカオ豆・カカオニブを電動ミルで細かく砕きます。

電動ミルによって生じる熱とカカオから滲みだす油分によって、カカオは徐々に粘度が下がっていきます。

カカオ豆の摩砕
左:摩砕開始直後、右:摩砕を十分に行った状態

電動ミルの壁面や天面に付着したチョコレートを適宜剥がしながら、液状になるまで摩砕を行います。

砂糖の調合

砂糖の調合
左:砂糖を追加、右:砂糖追加後にミルを3分動かした状態

砂糖を加えて、再度電動ミルを動かします。

砂糖を加えことで一旦下がった粘度が再び上がります。

同じくミル内部に付着したチョコレートを剥がしながら、液状になるまで電動ミルを動かします。

テンパリング(調温)

チョコレートを電動ミルから耐熱ボウルに移します。

テンパリング

ボウルの中でチョコレートをかき混ぜながら冷まします。

冬以外の季節ではボウルを冷水にさらすなどして温度を下げます。

マイクリオを使用する場合、チョコレートの温度が34℃になったら加えてかき混ぜます。

チョコレートが32℃まで下がったらテンパリング完了です。

テンパリングの判定

テンパリングの成否を簡単に判定する方法を紹介します。

テンパリングをしたチョコレコードをスプーンやナイフなどにさっと浸して3分間ほど冷ました状態で判定します。

ディップテスト
左:失敗、右:成功

失敗:白い筋が出ている状態で固まっている、固まらずに液状のまま

成功:チョコレートに艶がある状態で固まっている

チョコレートバーの成型

液状のチョコレートをチョコレート型に流し込みます。

チョコレートバーの成型

流し込む際に気泡ができるので、チョコレート型をテーブルに軽く打ち付けるなどの振動で気泡を無くします。

型に流し込んだチョコレートは冷蔵庫で20~30分ほど冷やした後で型から外します。

完成したチョコレートバー

長時間冷蔵庫で冷やすと表面に結露が生じるので注意しましょう。

固まる際にチョコレートは縮むので簡単に型から外すことができます。

まとめ

焙煎済みカカオ豆またはカカオニブからチョコレートバーを作る方法を紹介しました。

意外に簡単にできると思いませんか?

チョコレートバーを作っている間チョコのいい匂いがしますよ。

みなさんもチョコレートバーを作ってみましょう!

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