カカオ豆を家庭で焙煎してみよう

カカオ

カカオ豆の焙煎は手網を使って家庭で行うことができます。

ビーントゥバーチョコレートに興味がある方は、カカオの焙煎をしてみましょう!

ビーントゥバーチョコレートに関する記事はこちら。

この記事を読むと家庭でカカオ豆を焙煎する方法がわかります。

生豆の入手

生豆の入手

まずはカカオの生豆を入手しましょう。

Amazonや楽天市場で『カカオ 生豆』で検索しても見つけることはできますが、400~500g単位でしか購入できない場合が多いです。

そこで1kg前後の量で小分けで購入可能なECサイトを紹介します。

一宮物産

一宮物産
公式HP

一宮物産はコーヒー生豆とカカオ生豆の両方の小分け販売をしています。

コーヒー生豆の方がメインでSCAJ20241にもブースを出していました。

2025年現在でウガンダ、ベトナムとガーナの3か国の生豆を販売しています。

また、一宮物産ではミル、焙烙2やチョコレート・モールドなどチョコレートを作るのに必要な道具の販売もしています。

藤野良品店

藤野良品店
公式HP

藤野良品店は自家製のビーントゥバーチョコレートの他に、カカオ生豆も販売しています。

販売している生豆はタンザニアのココア・カミリのものです。

ココア・カミリのカカオは大手ビーントゥバー・メーカーのダンデライオン・チョコレートも原材料として使用しています。

つまり、大手ビーントゥバー・メーカーと同じカカオ生豆を購入することができるのです。

事前準備

事前準備

購入したカカオ生豆から、焙煎する量だけ取り出します。

生豆の量

この記事で紹介する手網焙煎の場合、80~120gが適量です。

生豆の量と出来上がるチョコレートの量は次の表のとおりです。
(チョコレートは約50gの板チョコを想定)

生豆の量 [g]出来上がる板チョコ [枚]
801.2
1001.6
1202.0

選別

焙煎する生豆を用意する際、次のような豆は除外します。

  • 黒カビや青カビがついた豆
  • 形に異常がある豆(平べったい、ねじれている)
  • シワのよった豆
  • 外皮が割れた豆

石、トウモロコシやコーヒー豆などのカカオ生豆以外の異物が混入している場合もあるので、見つけ次第取り除きます。

TIPS:生豆のサイズを揃える

少量の焙煎をする場合は焙煎する生豆のサイズを揃えてみましょう。

サイズが大きい豆は熱が中心まで伝わりにくく、サイズが小さい豆は簡単に中心まで熱が伝わります。

つまり、サイズが異なる豆を一緒に焙煎すると焙煎度にばらつきが生じてしまいます。

例えば、大きい豆は大きい豆のみで、小さい豆は小さい豆のみで焙煎すると焙煎の進み方が均一になります。

サイズが揃っていた方が焙煎度のばらつきを小さくできるのです。

焙煎

焙煎

カカオ生豆を焙煎して味や香りを引き出します。

生豆には雑菌や微生物が付着しているので、熱を加えることで安全に食べれる状態にする側面もあります。

焙煎に必要な道具

家庭で少量のカカオ豆を焙煎する場合に必要な道具を紹介します。

手網

手網

手網とは銀杏煎りに用いられる把手付きの金網のことです。

今回は、コーヒー豆用の手網を使用します。

ホームセンターやコーヒー器具専門店で買うことができます。

コンロ

コンロ

焙煎の熱源です。

コーヒーの焙煎ではカセットコンロを推奨しました。

しかし、カカオの焙煎の場合は次の理由からキッチンコンロとカセットコンロのどちらでも大丈夫です。

  • カカオの焙煎は温度があまり高くならないので、キッチンコンロの火災防止機能が働かないため
  • コーヒーと比べると後片付けが楽(ただし、細かい粉は飛び散る)

冷却機

冷却機

焙煎が完了した生豆を素早く冷却するために使用します。

今回は、コーヒー豆用の冷却機を使用します。

前述のようにカカオの焙煎は温度があまり高くならないので、ドライヤーの冷風運転でも大丈夫です。

焙煎手順

カカオ豆の洗浄

カカオ豆の洗浄

カカオの生豆にはポストハーベスト農薬3や雑菌が付着しているため、焙煎前に生豆をお湯で簡単に洗っておきます。

  1. ザルに生豆をいれて40~50℃のお湯を注ぎます
  2. お湯が茶色く濁るので、ザルのお湯を捨てて新たに注ぎます
  3. お湯がほぼ透明になったら、キッチンペーパーで生豆の水気をきります

焙煎

手網焙煎

いよいよ焙煎を行います。

焙煎とチョコレートの風味は密接に関係するので、目指す風味によって焙煎の詳細(火力や時間)は変わってきます。

この記事では初心者でも失敗しにくい方法を紹介します。

ポイントは低火力長時間の焙煎をすることです。

コンロの火力は弱火で、手網は熱源から30cm程度の高さで振ります。

火力や生豆にもよりますが、60~70分ほど振り続けます。

カカオの焙煎の場合、コーヒー焙煎における1ハゼ・2ハゼのような分かりやすい目安がありません。

TIPS:外観で焙煎度を推測する

個人的には外観で焙煎度をある程度推測できるのではないかと思っています。

◆焙煎開始直後

焙煎開始直後

お湯で洗った際の水分がとんだ状態です。

洗う前の生豆とほとんど変わりません。

◆30分間焙煎後

30分間焙煎後

焙煎によって外皮が乾ききった状態です。

焙煎開始直後よりも豆が少し膨らんでいます。

カカオ豆の外側には熱が通っていますが、内側には未だ達していません。

◆60分間焙煎後

60分間焙煎後

外皮にツヤがでてきた状態です(カカオの油脂分が外に出てきている?)。

この状態になると焙煎を終了しても問題ないです。

TIPS:カカオ豆は焦がしちゃダメ絶対

カカオ豆を焙煎で焦がしてしまうと、かなり嫌な風味が出ます。

独特で形容しがたいのですが、使い古した雑巾みたいな匂いです……

カカオの手網焙煎は低温で時間を掛けて行うので手間が掛かります。

しかし、面倒くさがって強火力で短時間で焙煎すると焦がしてしまうので注意しましょう。

冷却

冷却

焙煎が完了したら冷却機に移して冷却します。

冷却機がない場合、ザルにカカオ豆をあけてドライヤーで冷やしましょう。

まとめ

家庭でカカオ豆を焙煎する方法を紹介しました。

カカオ生豆と手網の入手が必要ですが、他は家庭にあるものが使えます。

低火力で長時間の焙煎をすると、初心者でも失敗せずに焙煎ができると思います。

  1. 日本スペシャルティコーヒー協会が年に1回開催するイベントの2024年版 ↩︎
  2. 茶葉や豆、ごまなどを炒るための土器や器。カカオ豆やコーヒー豆の焙煎に使用することも可能 ↩︎
  3. 収穫後の果物や野菜、穀物などに散布される殺菌剤や防かび剤。輸送や貯蔵の過程で発生する害虫やカビによる品質低下を防ぐために使用される ↩︎

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